海外メーカーが手がける軽電気自動車「BYDラッコ」。国産の軽自動車とはどこが違うのか気になり、実際に内覧してきました。
小柄な体型ならではの視点で、運転席の座り心地や視界、安全装備、室内の使い勝手までをチェックしてきましたが、結論から言うと、シートを最も低くしてもかかとが床につかず、ペダル操作に不安が残ったため、今回は候補から外すことにしました。営業担当者から聞いた話も交えてまとめます。
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BYDラッコとは?内覧してわかった第一印象
実車を前にして最初に感じたのは「軽自動車らしい軽自動車」という素直な印象でした。
国内メーカーの超ハイトワゴンと並べても浮かないスタイリングで、身構えていたよりずっと親しみやすい見た目です。
ただ、外観だけを見て判断していると、装備や乗り心地の違いには気づかないままだったと思います。
外観デザインは国産ハイトワゴンに近い雰囲気
シルエットや全体のボリューム感は、国産の超ハイトワゴン系の軽自動車とよく似ています。
まったく車に興味がない人が見ると「海外メーカーの新型EVです」と言われなければ、気づかず通り過ぎてしまいそうなくらい、日本のユーザーになじみやすいデザインです。とはいえ、ドアの形状など細かい部分には独自性も見られました。

運転席に座って感じたこと(視界・シート調整・足元の窮屈さ)
運転席に座ってまず良かったのは、前方視界です。フロント形状が四角いおかげで、車体の左前方の角までしっかり見え、タントに乗り慣れている感覚のままでも困りませんでした。
バックドアのガラス面が大きいので、左後方の死角も少なめです。
シートは電動のパワーシートで、ボタン一つで位置調整ができるのも助かるポイントでした。
一方で、フラットな靴を履いていたのに、シートを一番低い位置まで下げてもかかとが床につきませんでした。
厚底靴やヒールなら足の下に厚みが加わる分かかとは届きやすくなりそうですが、薄底の靴だとむしろ足が届きにくく感じそうです。
座面自体にも厚みがあり、その分着座位置が高くなってしまう点は、小柄な体型には少し気になるところでした。



「車高は低いのに乗り込みにくい」理由はバッテリー搭載構造
カタログ上、ラッコの最低地上高は130mmで、タント(145〜165mm)よりも車体下のクリアランスは狭いはずです。
ところが実際に乗り込んでみると、タントよりも足を高く上げる必要がありました。
理由は床下に敷き詰められたEV用バッテリーです。車体下部のすき間自体は低く抑えられていても、その上にバッテリーが載っている分、室内の床面が持ち上がっています。
日常の乗り降りに支障のない大人にはさほど気にならなくても、高齢者や小さな子どもが乗る際は少し配慮したほうがよさそうです。


後部ドアの開閉性とスライド機構
後部ドアの開閉はスムーズで、普段乗っているタントと比べても違いを感じませんでした。
荷物を抱えたままでも開けやすく、買い物帰りなど片手がふさがっている場面でも扱いやすいはずです。
自動スライドドアは、運転席付近に手動切り替え用のスイッチも備わっており、状況に応じた使い分けができる点も良い印象でした。
国産軽自動車にはない先進装備(重量センサー・空気圧監視・360度カメラ)
内覧して特に驚いたのが装備の充実ぶりです。助手席だけでなく後部座席にも重量センサーが搭載されていて、荷物を置くとシートベルトの警告灯や警告音で知らせてくれます。
荷物の降ろし忘れやペットや子供さんの置き去りも未然防止できます
荷物にシートベルトを締めるか、床に置くか、運転座席後ろのフックにかければ警告は回避できる仕組みです。
タイヤの空気圧も自動でチェックされ、異常があればアラームで知らせてくれます。営業担当者によると、こうした空気圧監視機能を備えた国産軽自動車は今のところ見当たらないとのことでした。
駐車をサポートする360度パノラマカメラも搭載されていて、バックソナーが検知した障害物までの距離が画面に数値で表示されます。カメラ映像は左右ともに鮮明で明るく、普段乗っている車と比べても見やすいと感じました。

シフト操作の安全設計
シフトレバーは、ブレーキを踏みながら右側のボタンを押し、そのままスライドさせる方式です。
位置的には助手席側からでも手が届きそうに見えますが、運転席側でブレーキを踏んでいる状態でなければ操作できない設計になっており、誤操作は起きにくい構造とのことでした。

冠水路走行時の注意点は国産車と同様
大雨で道路が冠水した場合の対応についても聞いてみました。
タイヤが半分ほど水に浸かる程度までは走行できますが、車内に雨水が浸入してくるようであれば速やかに車を降りる必要があるとのことです。
これは電気自動車に限った話ではなく、国産のガソリン車でも同じ注意が必要な部分で、動力方式にかかわらず冠水路を無理に走行しないという基本は変わらないようです。
室内の質感とシートの違い
室内から見たバックドアの形状は、国産車とは異なり丸みを帯びたデザインでした。後部座席の使い勝手自体はN-BOXに近く、座面の厚みは運転席同様にタントよりやや厚めです。
納車時期
納車開始は2026年10月頃を予定しているとのことで、現時点で公道を走っているのは試乗車のみです。市販モデルが街中で見かけられるようになるまでには、もう少し時間がかかりそうです。
「購入後の安心感」という視点でも国産車を選びます
かかとの問題がクリアできる体型の方、つまり運転できる条件が揃った方であっても、私はもう一つ考えたいポイントがあります。それは「購入後の安心感」が得にくいという点です。
車は10年ほど乗ることを見込んで購入するものだと考えているので、次の3点は特に重要視しています。
• 「何年乗れる?」→ 耐久性・長期使用への安心感
• 「下取りは?」→ リセールバリュー
• 「近所のディーラーで見てもらえる?」→ アフターサービス・整備体制
こうした長期的な視点で比較すると、実績とディーラー網が確立している国産車のほうが、今の私には安心して選びやすいと感じています。
まとめ
視界の良さやパワーシートの調整のしやすさは小柄な体型にもうれしいポイントですが、視界の良さやパワーシートの調整のしやすさは小柄な体型にもうれしいポイントですが、シートを最も低くしてもかかとが床につかない点は、私にとって見過ごせない問題でした。
かかとが浮いた状態だと、とっさのブレーキ操作やペダルの踏み込みに力が入りにくく、緊急時の操作に不安が残ります。装備の充実ぶりや使い勝手の良さには魅力を感じたものの、当然ながら安全に関わる部分だけは妥協できず、今回は乗り換え候補から外すことに決めました。