新型ムーヴを実際に試乗した印象をベースに、小柄な女性が知っておくべき選び方のポイントを解説します。競合車種との比較や、購入前の具体的なチェック項目まで網羅しました。
新型ムーヴの基本情報
主要スペック
新型ムーヴは、ダイハツの軽トールワゴンの中で「標準的な高さ」に位置する車種です。全高1,630mm(2WD)という設定は、タント(1,755mm)より約12cm低く、ミライース(1,515mm)より約11cm高い絶妙なバランスです。
ボディサイズ
- 全長:3,395mm / 全幅:1,475mm / 全高:1,630mm
この寸法バランスにより、取り回しの良さと居住性を両立していますが、小柄な方にとっては車内空間の使い方に工夫が必要になる場合があります。

市場での位置づけと競合
軽トールワゴン市場では、スズキ・ワゴンR、ホンダ・N-WGN、日産・デイズが主要な競合車種です。これらと比較して、ムーヴは「バランス型」と言えます。
価格帯は135万円〜189万円程度で、軽自動車としては中価格帯に位置します。この価格で得られる装備内容や使い勝手を考えると、コストパフォーマンスは良好です。原材料や人件費高騰などで価格帯は全体で上がってます。
新型ムーヴ のスライドドアの良さと、タントと比べて魅力的なポイント
「スライドドア付き軽自動車」を検討するとき、単にドアが開く・閉まるというだけでなく、「どんなサイズ・形状・使い勝手か」がけっこう重要です。ここでは新型ムーヴにおけるスライドドア採用の意義・メリットを整理し、タントと比べてどこが“魅力的”なのかを具体的に比較してみます。
新型ムーヴのスライドドア採用のメリット
1.軽ハイトワゴンでスライドドアを実現
新型ムーヴは従来のハイトワゴン(高さがスーパーハイトほど高くないタイプ)ながら、今回初めて「両側スライドドア」を採用しています。
→ スライドドアというと「背が高くて広い車」の代名詞だった中で、ムーヴがその機能を取り入れたことで、使いやすさと取り回しの良さを両立した新しい選択肢になりました。
ドアの開閉が非常に軽いことです。これは数値では表現しにくい部分ですが、試乗で実感できる大きな魅力です。
2.駐車場スペース・高さ制限への対応
ハイトワゴンというほど高さを持たせずにスライドドアを持たせている点がポイントです。たとえば、タントなどスーパーハイト系よりも車高が低めになっており、駐車場の天井制限がある場所でも安心という意見があります。
3.乗降・荷物出し入れ時の利便性
スライドドアの利点として、狭い駐車場や駐車スペースで隣の車との間隔があまりなくてもドアを大きく開けられる、子ども・荷物を抱えての乗降が楽、ということが挙げられています。新型ムーヴもこの点を強調しています。
タントとの比較で“ムーヴが魅力的なところ”
タントは「軽スーパーハイトワゴン」市場を牽引してきたモデルで、多くのスライドドア軽のベンチマークです。改善点・特徴を踏まえつつ、ムーヴが“差別化”しているポイントを挙げます。
| 項目 | タントの強み | ムーヴが魅力的な点 |
|---|---|---|
| 室内高・開放感 | タントは全高が1755 mm(2WD)など、室内高も高く、後席でのゆとり・立ち上がりやすさに優れます。 | ムーヴは全高が1655 mm(2WD)などで約100 mm低く、その分“背が高すぎず扱いやすさ”があります。 |
| 取り回し・駐車場対応 | 背が高い分、立体駐車場・屋根付き駐車場・高さ制限のある場所では不利になる場合あり。 | ムーヴは高さを抑えているため、駐車場の制限などでも入りやすく「スライドドア付きで高さ控えめ」の選択肢として魅力。 |
| 価格・バランス | タントはスーパーハイト・広々仕様ゆえに価格・維持コストもやや高めになりがち。 | 新型ムーヴはスライドドア搭載ながら、価格スタートが135万8500円~と抑えめ設定。 |
| “ちょうどいいサイズ”感 | タントの広さ・高さを活かした用途には強い。 | ムーヴは「大きすぎず・高すぎず・スライドドア付き」という、日常使い+取り回し重視派に響きやすいモデルといえます。 |
🔍 注意すべきポイント
ただし、タントと比べるとムーヴでは以下のような点に“少しだけ妥協”がある場合もあります
- 室内高・頭上クリアランスではタントが優位。特に後席で「天井が少し近く感じる」こともあり得ます。
- 駐車場の高さ制限・車庫入れが問題無ければ、タントの“ゆとり”を選ぶのも十分あり。マンションによくある機械式駐車場は1550mmが上限となってます。
■ 小柄な女性視点での「どちらが使いやすいか・魅力的か」の考察
◎ 新型ムーヴが魅力に感じる点
- 全高1,655mmという“控えめな高さ”なので、立体駐車場・屋内駐車場の天井制限などで「頭がつかえる」「出入りの際に帽子が当たる」といった懸念がタントに比べて少なそう。
- 室内高1,270mmという数字から、「頭上の余裕はタントほどではないが、十分な高さ感」があり、小柄な方でも圧迫感は少ない可能性。
- スライドドアが初めて採用されたモデルという点で、「後席・荷物の出し入れがラク」という期待が持てる。

- 車幅1,475mmという軽自動車としては標準的なサイズなので、街中や狭い駐車スペースでの取り回しも比較的安心。
■ 結論:小柄な女性ならどちらを選びやすいか?
総合的に考えると、小柄な女性(例えば身長150-155cm前後/足の長さ・運転姿勢に余裕を持ちたい方)であれば、
新型ムーヴの方が“安心して使いやすい”軽自動車の選択肢と言えそうです。
理由は以下:
- 全高が高すぎないので、立体駐車場でもヒヤッとしにくく、「天井に当たりそう」という不安が少ないのも安心ポイントです。
- スライドドア付きで乗降・荷物出し入れがラク。ただし、タントほど開口部が大きい数値データは見当たらないため「本当に扱いやすいか」は試乗して確認したほうが安心。
- 街中・狭い駐車場での取り回し・女性の一人運転でも“ほどよいサイズ感”で扱いやすそう。
ただし、家族で使う・荷物が多い・子どもがベビーシートで長時間乗る、など「とにかく室内高・荷室大開口を最優先」にするなら、タントのゆとりある広さ・開口部の大きさも捨て難い選択肢です。
実車レビュー:乗ってみた率直な印象
車内空間の評価
実際に運転席に座ってみると、まず気になるのは頭上空間です。
タントと比較すると、新型ムーヴは単純な全高差だけでなくヒップポイントがやや高めに感じられ、結果として頭上空間がタントよりもタイトに思えました。
身長が145cm未満の方や、逆に170cmを超える方は、試乗時に必ず頭上クリアランスを確認してください。特に髪型やヘアアクセサリーによっても感じ方が変わるため、普段の服装で試乗することをおすすめします。
ダッシュボードは高めの設計になっています。これは衝突安全性の確保や、助手席側の収納スペース確保のための設計と思われますが、小柄な方には前方視界への影響が出る可能性があります。
特に信号待ちでの信号機の見やすさや、前方車両との距離感の掴み方に影響する場合があります。


一方で、後部座席の足元空間は非常に広々としています。室内長2,080mmという数値は、競合車種の中でも優秀な部類に入ります。
大人が後部座席に座っても膝周りに余裕があり、長距離移動でも快適です。この広さは、子育て世代がチャイルドシートを設置する際にも大きなメリットになります。

外観デザインの印象
試乗したRSグレードの外観は、非常にスタイリッシュで好印象でした。フロントグリルやヘッドライトのデザインは、軽自動車とは思えない洗練された印象を与えます。
特に印象的だったのは、「カスタムグレードを選ばなくても十分に満足できる」という点です。
多くの軽自動車では標準グレードは地味で、カスタムグレードにしないと外観の魅力が出ないことが多いのですが、ムーヴのRSグレードはそのような必要性を感じさせません。
スポーティな印象がありながらも派手すぎず、20代の若い世代から40〜50代の大人の女性まで幅広い年齢層に似合うデザインです。
ボディカラーとの組み合わせによっても印象が変わりますが、全体的に上質感のある仕上がりになっています。
競合車種との比較:どこが違うのか
小柄な女性視点での評価
ムーヴの優位点は、何と言ってもドアの開閉の軽さです。これは他の競合車種と比較しても明確な差があります。後部座席の足元空間の広さも、実用面で大きなメリットです。RSグレードの外観デザインも魅力的で、追加費用なしで満足できる点は評価できます。
一方で注意が必要なのは、室内高がN-WGNより2cm低い点と、シート座面が高めに設計されている点です。
この組み合わせにより、小柄な方は頭上空間に窮屈さを感じる可能性があります。また、ダッシュボードの高さも、他車種と比較してやや高めの印象を受けました。
ワゴンRと比較すると、ムーヴは室内高で1.5cm有利ですが、車両重量が重く燃費ではやや劣ります。
ただし、乗降のしやすさや後部座席の広さでは、ムーヴが優位です。
総合的に見ると、ムーヴは「バランス型」の車として、各項目で平均以上の性能を持っています。
突出した長所は少ないものの、日常使いでの総合的な使い勝手は高いレベルにあります。
試乗で必ずチェックすべき4つのポイント
1. シートポジションと頭上空間
試乗時の確認手順を具体的に説明します。まず、シートを一番後ろまで下げてください。
その状態から、かかとを床にしっかりつけたまま、少しずつシートを前に出していきます。ブレーキペダルを一番奥まで踏み込んだ時に、膝が軽く曲がる程度の位置が理想的です。
この位置が決まったら、シート高を調整します。ムーヴには運転席シートリフター(上下調整機能)がグレードによって装備されています。
低い位置から始めて、前方の視界が十分に取れる高さまで上げていきます。ただし、上げすぎると頭上空間が窮屈になるため、頭上に拳1個分以上の余裕があるかを確認してください。
身長150cm前後の方の場合、シートを最前位置にしてペダルに足が届くか、シート高を上げて視界を確保しても頭上に余裕があるか、この両方を満たすことが重要です。どちらかを優先すると、もう一方が犠牲になる可能性があります。
ステアリングの調整も忘れずに行ってください。ムーヴはチルト調整(上下調整)のみでテレスコピック調整(前後調整)はありません。
ステアリングを握った時に、肩が上がらない程度の高さに調整します。腕は軽く曲がった状態が理想的です。
試乗では、実際の運転姿勢で5分以上座ってみることをおすすめします。短時間では気づかない窮屈さや疲労感が、少し時間をかけることで見えてくることがあります。
2. 安全装備の確認
新型ムーヴには「スマートアシスト」と呼ばれる予防安全機能が搭載されています。衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ、車線逸脱警報、先行車発進お知らせ機能などが含まれます。
安全装備の作動自体は座高によって大きく変わることはありません。
車線逸脱警報も同様です。ステアリングの振動や警告音で知らせてくれますが、その感度が自分の運転スタイルに合っているかを確認しましょう。敏感すぎると頻繁に警報が出てストレスになり、鈍感すぎると本当に必要な時に気づけません。
バックカメラの映像も必ず確認してください。画質、映る範囲、ガイドラインの見やすさなどをチェックします。特に、後方の死角がどの程度カバーされているかは重要です。
3. 視界と運転感覚
運転席に座った状態で、まず前方の視界を確認します。ボンネットの先端が見えるか、見えない場合は前方の距離感がどう掴めるかを確認してください。
ダッシュボードが高めなので、小柄な方はボンネット先端が見えにくい可能性があります
左右のドアミラーで後方がどの程度見えるか、死角はどれくらいあるかも確認します。
ミラーの調整範囲が十分かもチェックポイントです。Aピラー(フロントガラスと運転席側の窓の間の柱)の太さや角度によって、斜め前方に死角ができる場合があります。右折時や合流時に、この死角が運転に支障をきたさないかを確認してください。
試乗では、実際に狭い道を走ってみることをおすすめします。最小回転半径4.4mという数値は優秀ですが、実際の取り回しは運転席からの視界や車幅感覚によって変わります。
住宅街の細い道やスーパーの駐車場など、普段使う環境に近い場所で試せると理想的です。
駐車の練習もできれば試してください。バックカメラを見ながらの駐車のしやすさ、前方・後方の見切りの良さなどを体感できます。
日常使いの実際
荷室の実用性
バックドアが軽く開閉できることは、荷物の出し入れで大きなアドバンテージになります。
荷室の開口部高さは約1,100mm、幅は約950mmあります。
一般的なスーパーの買い物袋なら4〜5袋、コンパクトタイプのベビーカーなら後部座席を使用したままでも積載可能です。
荷室床面の地上高は約640mmで、重い荷物を持ち上げる高さとしては許容範囲内です。
後部座席は6:4分割で倒すことができます。普段は片側だけ倒して荷室を拡大し、大きな荷物を積む時は両側倒すという使い分けができます。
座席を倒した状態での奥行きは約1,400mmになり、長尺物も積載可能です。
荷室の使い勝手を高めるコツは、小物を整理する収納ボックスやカーゴネットを活用することです。
床面がフラットなので、仕切りを使って荷物が動かないように固定すると、運転中の荷崩れを防げます。
グレード選びとおすすめオプション
グレード別の評価
新型ムーヴには複数のグレードがありますが、小柄な女性におすすめなのは「X」または「RS」です。
Lグレード(エントリー)は価格が安いものの、安全装備が省略されている場合があります。スマートアシストは現代の車には必須と考えると、Lグレードは避けた方が無難です。
Xグレードは、スマートアシストを含む基本的な装備が揃っており、価格とのバランスが良好です。価格は約125万円からで、日常使いに必要な機能は全て揃っています。
RSグレードは、Xグレードに加えて外観の質感が向上し、専用のエアロパーツやアルミホイールが装備されます。価格は約140万円からとXグレードより15万円ほど高くなりますが、外観の満足度が大きく向上します。レビューでも触れたように、「カスタムグレードが不要」と感じられる仕上がりです。
ターボエンジン搭載グレードもありますが、平坦な道での街乗りがメインなら、ノンターボで十分です。坂道が多い地域や、高速道路を頻繁に使う方はターボを検討してください。
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/move/02_grade.htm (グレード)
必須オプションと推奨オプション
小柄な女性にとって必須と言えるオプションは、コーナーセンサーです。前方の見切りが良くないため、これらがあると駐車時の安心感が大きく向上します。
新車を買う場合には、国の義務化でバックカメラは標準装備となります。
中古車を買う際には、バックカメラやコーナーセンサーが備わっているのかを確認してください。
運転席シートリフター(座面高さ調整)も、グレードによってはオプションになります。小柄な方は、このオプションを強く推奨します。座面高を調整できることで、視界と頭上空間のバランスを取りやすくなります。
ドライブレコーダーは、万が一の事故や煽り運転への備えとして、今や必須装備と言えます。純正品は保証の対象になるため、安心感があります。
まとめ:新型ムーヴを選ぶべき人、避けるべき人
総合評価
新型ムーヴは、軽トールワゴンとして高いバランス性能を持つ車です。
特にドアの開閉の軽さ、後部座席の広さ、RSグレードの外観は他車種と比較しても明確な魅力です。取り回しの良さや燃費性能も、日常使いに十分なレベルにあります。
一方で、小柄な女性にとっては、頭上空間の狭さとダッシュボードの高さが気になるポイントです。
シートが分厚く座面が高めなため、身長150cm前後の方は試乗での確認が必須です。
こんな人におすすめ
身長155〜165cm程度で、ドアの開閉が楽な車を探している方には最適です。
買い物や送り迎えなど、1日に何度も乗り降りする使い方をする方にとって、ドアの軽さは大きなストレス軽減になります。
後部座席の広さも魅力なので、家族や友人を乗せる機会が多い方、チャイルドシートを設置する予定がある方にも向いています。RSグレードの外観が好みで、スポーティなデザインを求める方にもおすすめです。
狭い道や駐車場での取り回しの良さを重視する方、立体駐車場を利用する機会が多い方(全高1,630mmは多くの立体駐車場で問題なし)にも適しています。マンションの機械式駐車場は数に限りがあるため、空きがあるかを確認したほうがいいです。
検討が必要な人、避けるべき人
身長150cm未満の方は、頭上空間とペダルへの足の届きを、試乗で入念に確認してください。シートリフター付きのグレード(Lグレード以外)を選び、調整の余地を確保することが重要です。
頭上空間の広さを最優先する方、タントの方が向いています。大型ベビーカーを頻繁に積む方も、より大きな荷室を持つ車種の検討をおすすめします。
燃費を最優先する方は、ワゴンRやさらに経済性に特化したミライースを検討した方が良いでしょう。
最終アドバイス
新型ムーヴの購入を検討する際は、必ず試乗で以下を確認してください。シート最前・最低位置での頭上クリアランス、ペダル操作のしやすさ、ダッシュボード高さによる視界への影響、そして全ドアの開閉感です。
特にドアの軽さは、実際に触れてみないと分からない魅力です。この軽さを体感すれば、日常使いでのストレスの少なさが想像できるはずです。
このガイドで紹介したチェックポイントをメモして、ディーラーでじっくり確認すれば、後悔のない車選びができます。家族や友人と一緒に試乗して、第三者の意見も参考にすると、より客観的な判断ができるでしょう。
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/move/